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ヴェーダーンタ・リトリート2016夏の報告

ヴァ―ダンタリトリートをインド・コインバトールのArsha Vidya Gurukulamにて、8月21日~8月28日に行いました。

その後、オプショナルで参加希望の方はケララへの旅行とリシケシアシュラムにも滞在しました。 殆どが旅行中の写真となってしまいましたが、リトリートの様子を写真でご報告いたします。

リトリートどうだったの?と興味のある方へ、感謝を込めて参加された方へ、これからインドに行って見たいという冒険家の方へ、アシュラムでのリトリートの雰囲気と安全なで楽しい旅行の仕方が少しでも伝わればと思います。

サナ―タナさん、写真のご提供ありがとうございました!

グルクラム

グルクラムはアナイカティという、コインバトールから約1時間離れた山奥に位置し、野生の孔雀、象、キングフィッシャーなどが訪れる、とても神聖な場所です。

私の師匠、Swami Dayananda Sarasvati jiのグルクラムですが、スワミジは昨年マハーサマーディをえられたので、残念ながらお会いすることは出来ません。。。

しかし、スワミジの教えは、教えをきちんと受け継いだ生徒さんたちの中に生き生きとしています。

みちか先生

グルクラムで開催されているヴェーダーンタ3年コースにおいてサンスクリット語を教えているみちか先生に、「祈りについて」のクラスをして頂きました。サンスクリット語のチャンティングとダクシナ―ムールティの108の名前の意味を教えて頂きました。みちか先生のクラスは分かりやすく、面白く、愛情にあふれていています。まさにプージャスワミジの教え方です。

ヴィシュヴァ―トマ―ナンダジ

3年のコースで一緒に勉強をしたヴィシュヴァ―トマ―ナンダジは32歳という若さでサンニャーサーをとられました=出家されました。「なんでサンニャーサーを取る決心をしたのですか?」という生徒さんの質問に「ヴェーダーンタの知識以外の他の事に全く興味・関心がないから」ときっぱり答えておられました。約5年間、プージャスワミジの側近としてお世話をしていたので、プージャスワミジの生き様、物事や人々への対応を間近で学ばれた方です。サットサンガをしてくださいました。スワミジの教えが輝いています。

デーヴァートマ チャイタニャ

シヴァナンダヨーガで教えていた経歴を持つデーヴァートマ チャイタニャ。3年のコースで一緒に勉強をしました。現在はインド各地を飛び回り、ヨーガ・アーサナやヴェーダンタを教える中、地元であるケララ州アレッピ―でプージャスワミジが促進されていたダルマを守る活動もしています。今回はムンバイからアーサナを教えに駆けつけてくれました。

グルクラムでは1日3回お食事がでます。素朴な南インド料理ですが、どこのレストランのお食事よりもおいしいのです。

グルクラムでのお食事。素朴な南インド料理ですが、どこのレストランで食べるお食事よりもおいしいです。

すべてが寄付で運営されているこのグルクラムでは、もちろんお食事もすべて寄付で賄われています。タダでご飯が頂けるのは素晴らしく、ありがたいことですが、なぜそれが可能なのか、また、何のためにタダなのかをきちんと理解しなくてはいけません。

なぜタダが可能なのか:

寄付をしてくれる人がいるからです。学生でも出家者でもない、社会に身をおいて生計を立てる人をグラハスタと呼びます。人生の過程で4つに分けられるアーシュラマの1つです。他のアーシュラマであるブランマチャーリー=学生、とくにヴェーダ、ヴェーダーンタを学ぶ学生、やサンニャーシー=出家者を養うのはグラハスタの役割なのです。インドではこのグラハスタが収入の3分の1をグルクラムや他の施設に寄付をすることが当たり前だそうです。なぜなら、それが社会での役割だから。そして、その役割をきちんとこなすことで、恩恵と人間としての成長を得ることが出来るのです。自分の家族や老後だけにお金をせこせこため込むことを徳としていません。実際に日本の経済体制は、未来への不安でがんじがらめになった個人主義なお金の使い方で空回りをしだしているようにみえます。

誰のためにタダなのか:

ブランマチャーリー=学生、とくにヴェーダ、ヴェーダーンタを学ぶ学生、やサンニャーシー=出家者のためです。彼らの社会での役割は勉強をすることです。時間と労力はすべて勉強につぎ込むので、お金を稼ぐことは出来ません。この社会での役割分担によって、ヴェーダ・ヴェーダンタの教えが今でもインドでは絶えることなく存続していると言われます。

このようにタダでご飯が頂けるというその背景にはインドの豊かな文化と社会構成が見えてくるのです。

グルクラムに訪れる殆どの日本人がグラハスタのはずです。自分がタダでご飯を食べさせてもらう側なのか、貢献をする側なのかをしっかりとわきまえて、この有難い文化の賜物であるビクシャ=タダで頂けるご飯を味わってもらいたいと思います。今回のリトリートに参加されたサナ―タナさんも、きちんと貢献をされていました。貢献をすると食堂のホワイトボードに名前が記されます。

貢献できることは人としての成長の証です。おめでとうございます!

ちなみにリシケシアシュラムでは200~300人のサンニャーシーの方たちに施しをすることも出来ます。この光景は何度見ても感動してしまいます。

ニブルッティ・マールガ(外的要因に頼った経験的な幸せを求める生き方を卒業した道)を行くサンニャーシーとそれを支える人達・社会構成がこれからもきちんと守られますように。

2つのお寺

グルクラムにはダクシナ―ムールティのお寺とムルガンのお寺があります。

私たちが訪れた時期は、3年コースの夏季休暇だったので、生徒は殆ど居ませんでしたが、SDJというグルクラムに隣接するアーユルヴェーダ病院にリトリートに来ていた日本人の方たちも毎日のようにお寺にお参りに来られていたので、お寺は私たち日本人で溢れかえる状態でした。みなさん、熱心にプージャの申し込みなどをしていたので、お寺の管理をして下さっているスワミ二たちも、とても喜んでいました。「ダクシナ―ムールティもとっても喜んでいる事でしょう」と後ほどリシケシでお会いした時におっしゃっていました。実際に、私たちがこのように日本でヴァ―ダーンタの勉強をすることが出来、インドに行ってダクシナ―ムールティにプージャが出来るのも、ダクシナ―ムールティの恩恵に他ならないのだと思います。

ちなみにダクシナ―ムールティ=グルがメインなお寺は、インドではここのお寺とクンバコウナムのティルナゲ―シュヴァランというお寺だけだそうです。

リトリート中にチダンバラムへ小旅行をしました。

インド旅行のなかで、難易度がかなり高いと言われる電車での旅でしたが、みなさんのご協力もあり、とっても快適でした。よね?

まず、クンバコウナムという町まで電車で行き、そこから車でチダンバランに向かう途中で、ヴァイデーシュヴァランというシヴァ神がお医者様として祀られているお寺に行きました。クンバコウナムはナヴァ・グラハ(9つの天体)を祀ってあるお寺すべてを参拝できる事でも有名です。このヴァイデーシュヴァランには火星の神様アンガ―ラカーラも祀られていました。

そこから車でチダンバラムへ。

チダンバラム

なぜ小旅行にチダンバラムを選んだかというと。。。私が大好きだから、という理由だけではなく。。。

理由1:このお寺でプージャをする人たちは全てディークシタという家系の方です。そのディークシタであるカナカサヴァ―パティさんはプージャスワミジからサンスクリット語を学ばれた方なので、私や他のプージャスワミジの生徒がお寺を訪れると、いつも丁寧にお世話をしてくれるのです。

有難いことに、沢山の特別なプージャをして下さったり、プラサーダムの配膳もさせて下さったりと、インド人でも経験できないような待遇を外国人である私たちにして下さるのです。さらには、ご自宅にも招待して頂き、ランチまでご馳走になってしまいました。ブラーンマナ(ヴェーダの教えに従って生活をする人)のおもてなしと生活習慣を垣間見ることが出来ました。

このカナカサヴァ―パティさんは、9月に行われたリシケシでのプージャスワミジのマハーサマーディ一回忌の儀式でも大活躍されていました。ヴァイディカ(ヴェーダの教えに従って生活をする人のもう一つの呼び方)特有のテージャ(輝き)を放つ方です。日本の疲れ切ったサラリーマンに分けてあげたいぐらい。

理由2:プージャスワミジのレクチャーにはここで祀られているナタラジャ神とアーカ―シャ・プージャのお話が良く出てくるので。

ナタラジャ神はシヴァ神がタ-ンダヴァという踊りをしている姿なので、踊りの神様として祀られています。

よくヨーガスタジオに飾ってありますね。お寺では写真は取れないので、ウィキペディアから画像を拝借致しました。

このターンダヴァによって、宇宙全体が動かされると言われています。なので、このお寺はHṛdaya Desha(宇宙の心臓)とも呼ばれます。ちょうど人の体の心臓が中心となって血液を循環させ、体全体が機能できるように、このナタラジャ神のターンダヴァによって、宇宙全体が動かされている、その場所がチダンバラムのお寺なのです。

また、その横に祀られているのは、アーカ―シャ=空間です。空間なので、姿形を見ることは出来ません。しかし、そこにはガーランドが飾られ、プージャがされます。プージャがされるけどその場には何も見ることが出来ないので、参拝者は???となってしまいます。これがチダンバラ・ラハッスャ=チダンバラの秘密です。

とても有名で人気のあるお寺ですが、観光地ではなく神聖な参拝をする場所です。参拝する場合は身を清め、参拝にふさわしい身だしなみでナタラジャ神に恩恵を頂きに行きましょう。

参拝には沢山のお花を持参します。

チダンバラムには3年コースでお勉強中のDṛṣṭiあいさんも同行して下さいました。

宿泊したホテルはAkshaya Hotelという中級(?)ホテル。お寺まで歩いて5分ぐらいの好立地。

タンジヴール

帰りはタンジヴールという町により、ユネスコ世界遺産にも登録されているブルハデーシュヴァラ寺院を参拝してきました。

ここでも、プージャスワミジの生徒さんであるサンバームールティ―さんという方がお世話をしてくださり、寺院のVIP入り口から入れてもらい、他の方が入れないところで参拝させて頂きました。至る所にプージャスワミジの恩恵があふれています。

それもそのはず。ここのシヴァ・リンガはとても大きく、そのために沢山のナイヴェーデャン(お供え)が必要なのですが、そのナイヴェーデャンのサポートをプージャスワミジがされていたそうです。現在はサンバームールティ―さんが引き継ぎ管理をしているそうです。一口1000ルピーからできるので、訪れる機会がある人は是非貢献をしてみて下さい。

電車に乗るまで時間があったので、ホテルタミルナードゥという、駅から徒歩で5分ぐらいの宿泊施設に併設している食堂で夕食をとりました。ホテル(インドではレストランの事をホテルというので紛らわしい)、という感じではなく、あくまでも宿泊施設の食堂といった感じなので、かなりくつろげました。ウェイターさんもフレンドリーで、皆さんとの会話と楽しんでいたようです。

帰りは難易度がさらに高いと言われる寝台列車

快適でした!よね?

コインバトールに着いたのが朝の5時でしたが、インドの朝は早いので、フラワーマーケットに寄ってみました。

ジーヴァ・ヤ―トラー

グルクラムでのヴェーダ―ンタのお勉強はジーヴァ・ヤ―トラーでした。

ジーヴァ―の巡礼の旅、という意味の9節からなるとても短いテキストです。ジーヴァ―、私という概念、は通常サムサ―ラというキリのない、堂々巡りな生をくりかえすサムサーリーです。ヴェーダーンタの教えは、ジーヴァーのゴールであるモークシャと、そこにたどり着くための手段・方法を教えてくれるので、私たちをサムサ―ラから自由にしてくれて、人生をヤートラー(巡礼の旅)に換えてくれるのです。目的地と手段がなければ旅はできませんものね。

ヴェーダーンタの教えを端的に、分かりやすくまとめてくれているのが、ジーヴァ・ヤ―トラーです。

お日様が昇る前に起きて、シャワーを浴び、体を清め、洗濯したての服をきてお寺に行く。食事を食べる前も必ず祈りから。体に良くないものは口にしないetc、というヴェーダの生活の中でヴェーダーンタの勉強が出来るのはとても有難いことです。受入れてくれるグルクラムがあるのも、一緒に勉強をする仲間がいるのも、そこで教えてくれる先生がいるのもすべてイーシュヴァラの恩恵。自分がいかに恵まれているのか、ここにいることがどれだけ素晴らしいことなのか、という当たり前だけど忙しい日常生活の中では忘れてしまう、人生の醍醐味を味わってもらえたら、と思いました。

 

ケララ

コインバトールでのリトリート終了後、オプショナルでケララへ旅行をしました。

シュラヴァナ・バヴァンという有名なピュアヴェジ・レストランチェーンにて朝食をとりました。

グルヴァ―ユへ向う途中、女の子のグルクラムの建設現場に立ち寄りました。

このグルクラムは私の敬愛する先生であり、プージャスワミジのお弟子さんでもあるスワミ・タットワルーパナンダジが、ケララの貧困家庭の女の子たちがきちんとした衣食住と教育が受けられるよう建設しているグルクラムです。全て寄付で成り立っています。今年の初めに完成する予定でしたが、資金不足で完成が長引いています。30人の子供たちが入居を心待ちにしているそうです。

グルヴァ―ユ

グルヴァ―ユはクリシュナ神のお寺として、とても有名です。また、外国人は入れてくれない事でも有名です。

でも、しっかりとクリシュナ神を思い、私は信仰心が強いんです、クリシュナ神に会いに来たんです!ということを体全体でアピール=新しいサリーを身にまとい、おでこにはクムクム・チャンダナ、髪の毛は束ねジャスミンで飾る、参列時にはギータ―またはサハスラナーマをチャンティンするetcなどすれば入れてくれます。

グルヴァ―ユのクリシュナ神はとてもパワフルです。また、グル(先生)ヴァ-ユ(風=痛みを起こす原因)でもあるので、様々な体の障害を取り除いてくれることでも有名です。特にアビシェーカムに使われたごま油のプラサーダムは、様々な痛みに効くと言われています。閉まりの良くない入れ物に入れてくれるので、飛行機で持って帰ってくるのは一苦労ですが。。。

ここ、グルヴァ―ユはすでにケララなので、ケララサリーが沢山売っています。それも、他の場所と比べて安い!また、アーユルヴェーダ―クリニックも沢山あります。

お昼はとても素敵なDevaragamという高級ホテルで。駅の真ん前です。

高級ミールス、だけど日本のレストランの5分の1程のお値段。もちろん食べ放題。

この日はエーカーダシーだったので、みなさんのお食事中、私はホテルのラウンジでギータ―を読んでいました。ら、知らないおじさんが話しかけてきました。普通のフレンドリーなおじさんだと思いきや、そのおじさんはコインバトールではかなり有名なピュアヴェジ・レストランチェーン、アンナプールナのオーナーさんでした。お孫さんの「お食い初め」の儀式のため、グルヴァ―ユまでいらしていたそうです。アンナプールナのオーナーさんのお孫さんは、沢山のアンナプールナの恩恵を得るのでしょうね。

シャンカラ―チャーリヤの生誕地

シャンカラ―チャーリヤの生誕地はお寺となって参拝地となっております。

シャンカラ―チャーリヤが子供のころ、沐浴中にワニに足を噛まれたと言われる、ガート=沐浴場。

ケララならではのバックウォ―タ―などの観光もしました。通常は手漕ぎボートでゆっくり回るのですが、今回はモーターボートで。

 

リシケシへ

朝6時の便でデリーへ。

デリー空港では日本から参加される綾子さんと落ち合う予定。でも、着いたターミナルが違うので、とりあえずインターナショナルフライトが到着するターミナル3へ。

<デリー空港でお友達と落ち合う場合>自分が付いた到着ロビーとは違う到着ロビーに入るには、チケットを買わないと入れてくれません。また、大きな荷物は持って入れないので、一緒に行った方に預かってもう、または、一人旅行の時は、荷物預り所で預かってくれます。すべて安全のためなのでしょう。

長時間待たせてしまった綾子さんと落ち合えました。

メトロでデリー駅まで。

時間があったので、カフェで一息。メトロ・デリー駅のトイレは外の雑踏からは想像が出来ないぐらいとてもきれいです。難点は、ものすごく分かりにくい場所にあり、人っ気がないので、女性一人の時は注意が必要かも。

駅での待ち時間。

冷房がガンガンに効いている電車に約8時間乗り、ハリドヴァ―ルへ。この冷房は要らないのですが、安全のために、値段が高めの2等、3等車に乗ります。

ハリドヴァ―ルに着き、前払いタクシーでアシュラムまで。

<安全な旅行のために>プリペイド(前払い)タクシーは駅から3分ぐらい歩いた場所にあります。駅の敷地を出た右側です。「タクシー、マダム、タクシー」と言い寄ってくる人たちに惑わされてはいけません。人ごみをかき分ける感じで、プリペイド(前払い)タクシー乗り場へ向かいましょう。グループで行った場合は、一人(出来れば男性)がタクシー乗り場まで行き、タクシーをゲットする。ドライバー・車と共に他の人が待っている駅まで行き、合流する。そうすれば、みんなが重い荷物をもって、いつどこで何が起こるかわからない町中を歩く必要がありません。

アシュラムまで来れば安心。知っている方々が出迎えてくれます。

リシケシ滞在のハイライトであるガンガーアーラティー。

リシケシアシュラムでのご報告は後日アップデート致します。

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