サンスクリット語集中講座2017
7月7日~10日の4日間、サンスクリット語集中講座(予備校夏期講習合宿型)を飯能の鳥居観音で行いました。
この講座はデーヴァナーガリは読めるようになったけど、文章はまだ読めない方々を対象に、Medha Michika先生のテキスト「Enjoyable Sanskrit Grammar」を基に進めました。
デーヴァナーガリが読めるようになっても、サンスクリット語の文章が読める=理解できるわけではないので、今までは単なる「音」だったデーヴァナーガリが意味を成すサンスクリット語の「文章の要因」と頭の中で変化していくことを目的としました。
4日間でサンスクリット語の基本構成、動詞(現在形、その他の9の時制は表面的な紹介だけ)、名詞、サンディールールをザーッと見ました。
清美さんの発案で、志乃さんにスケジュール調整をして頂いたのですが、ちょうど日程がグルプールニマにもあたり、みなさんと一緒にグルプージャをする事も出来ました。
一般的にサンスクリット語は表面的に文章を構成している要因を勉強していくのですが、そこから始めてしまうと、「難しい」「覚えることが多すぎる」という印象を受けます。その方法で勉強してきた人も居るので、「サンスクリット語は難しい」という概念が出来上がってしまっている人も居たので、「むずかし~」はNGワードで、その概念を取り除くことに徹しました。
実際にサンスクリット語の基本構成は
प्रकृति+प्रत्यय
なのでとてもシンプルです。
ちょうどこの現れている世界を見ていると煩わしいことだらけに見えるけど、源をたどってみるととてもシンプルなのと同じように。
Medha Michika先生のテキストは一般的なサンスクリット語の教え方のように現れているものをずらずらと並べて教える・覚えさせるのではなく、基本構成であるप्रकृति+प्रत्ययから教えてくれているので画期的です。文法家パーニニの教え方に基づいて、そして、パーニ二の文法の教え方にすんなりと進んでいける構成になっています。
私自身は他の教科書でサンスクリットを勉強した後にパーニニの文法を勉強したので、パーニニの文法を勉強した時に、「なんでこの方法で教えてくれなかったの!」と衝撃を受けたので、このMedha Michika先生のテキストは本当に有難い、画期的な構成になっていると実感しています。タイトルが「Enjoyable」なので、教える側にとっても「Enjoyable」です。でも、独りで勉強しようとすると決して「Enjoyable」ではないと思うので、このテキストがきちんと使いこなすことが出来るような講座にしました。
勉強を進めたい人はこの講座を期にサンスクリット語に触れる機会(チャンティングのクラスやシャーストラを聞く機会)を増やし、その度ごとにこのテキストを基に学びを深めてもらいたいと思います。
今までは構成されている要因が何かも分からないで読んでいたサンスクリット語が意味を成す文章に見えてくるのは素晴らしい事です。実際にそれが何を意味するかが分からなくても、先生が説明してくれるので心配無用です。先ずは、文章を構成する要因(動詞、名詞のविभक्ति)を認識する事が重要なので。
「こんなに分かっていいの!」「世界が変わった!」などの電車に貼ってある広告文句のようなフィードバックを頂いたのも、この「音」から「文章」への変化があったからでしょう。
参加して下さったみなさま、会場の提供と運営をして下さった志乃さん、毎日3食愛情と創作力満載のおいしいお食事を作って下さった清美さん、テキストを作って下さったMedha Michika ji、そしてサンスクリット語とその素晴らしを教えて下さったPujya Swami Dayananda ji, Swami Sakshatikrtananda jiに感謝の意でいっぱいです。ありがとうございました。
数を数えているに、お食事の用意をすると必ず一皿余ってしまっていたのは、これらの先生方が傍で見守って下さっていたからでしょう。
श्री गुरुभ्यो नमः